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〜 東北新幹線について 〜

社会交通工学科3年 8106番 西山 翔太郎

1.東北新幹線の歴史

表1 東北新幹線の年表
1982(昭和57)年大宮〜盛岡間暫定開業,その後の本開業で大幅増便される
(停車駅:大宮−小山−宇都宮−那須塩原−新白河−郡山−
      福島−白石蔵王−仙台−古川−一ノ関−北上−盛岡)
1985(昭和60)年上野〜大宮間開業,水沢江刺駅と新花巻駅が開業する
(停車駅:上野〜一ノ関−水沢江刺−北上−新花巻−盛岡)
1990(平成2)年くりこま高原駅が開業する
(停車駅:上野〜古川−くりこま高原−一ノ関〜盛岡)
1991(平成3)年東京〜上野間が開業する
1992(平成4)年山形新幹線が開業し、直通運転が始まる
1995(平成7)年「なすの」が設定される
1997(平成9)年秋田新幹線が開業し、直通運転が始まる
「あおば」「Maxあおば」が廃止される
2002(平成14)年盛岡〜八戸間が開業する
(停車駅:東京〜盛岡−いわて沼宮内−二戸−八戸)
2010(平成22)年八戸〜新青森間開業予定

     


2.東北新幹線を走っている車両

●200系
 200系は、昭和57年の東北・上越新幹線の大宮暫定開業時に備えて昭和55年から製造が始まった。 最高速度210km/hで運行を開始し、上野開業時に一部編成が240km/hで走行できるようになった。 平成2年には2階建て車両も登場し、一部編成が270km/hで運転を開始した。東海道新幹線の0系と比べて、 様々な耐寒対策や勾配対策が採用されている。

●E2系
 E2系は「こまち」と連結する「やまびこ」用の列車と、長野新幹線「あさま」して1997年に営業運転を開始した。 東北新幹線で使われているJ編成は10両編成と、E3系R編成と併結運転を行う16両編成の1〜10号車として運行されている。




写真1 E2系 J編成




●E3系
 E3系は新幹線と在来線の両方を走ることができる車両で、 車体は在来線の規格に合わせているので一般の新幹線車両より一回り小さい。 0番台は秋田新幹線「こまち」(R編成6両),1000番台と2000番台は山形新幹線「つばさ」(L編成7両)として、 東北新幹線の区間では200系やE2系,E4系と連結運転をしている。 最高速度は新幹線区間では0番台と2000番台は275km/h,1000番台は240km/hで、 在来線区間では130km/hである。



写真2 E3系 0番台



写真3 E3系 2000番台




●E4系
 E4系は、オール2階建て車両の新幹線で、200系の取替えと、 増え続ける旅客需要に対応するために製造された。標識灯が盛り上がっている形になっていて、最高速度は240km/h。8両編成を2本連結した16両編成で運転されている時の定員は1634人で高速車両として世界最大級である。




写真4 E4系



3.八戸〜新青森間延伸開業

 平成22年12月4日に新青森駅まで延伸開業され、 昭和57(1982)年6月23日に大宮〜盛岡間が開業してから28年目にして東北新幹線の全線開業を果たす。 新しく開業する新幹線の駅は七戸十和田(しちのへとわだ)駅と新青森駅の2駅である。
 七戸十和田駅は他の路線に接続していない単独駅で、旧南部縦貫鉄道の七戸駅から約2km離れた場所にある。 対向式ホーム2面が本線に設置され、通過線は持たない。新青森駅は在来線の奥羽本線と交差しており、乗り換えの利便性が良い。 2面4線の形で2015年に開業予定されている北海道新幹線の開業後も全列車の停車が予測されるため、通過線は持たない。

 延伸開業される八戸〜新青森間は全長81.2kmで、このうちトンネル部は50.4kmと全体のおよそ60%を占めている。 ちなみに東京〜盛岡間はおよそ20%,盛岡〜八戸間はおよそ70%がトンネルである。 複数の鉄道トンネル(陸上)として全長26455mの八甲田トンネル(七戸十和田〜新青森間)が世界最長になり、 現在世界最長である全長25808mの岩手一戸トンネル(いわて沼宮内〜二戸間)を抜くかたちになる。

 2011年3月にデビューを果たす新型車両E5系に、使用される列車の愛称は「はやぶさ」と決定しており、 2013年度末にE5系全編成投入完了されると「はやて」の名称は廃止される。営業運転では2010年度末に300km/hで、 そして2012年度に導入予定のE6系と併結して最高速度320km/hで走行すると、東京〜新青森間が3時間5分程度となる。 E5系は新幹線車両として初となるファーストクラス「グランクラス」が設置される。


4.参考文献

「鉄道ファン」 2009年12月号,交友社


 
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